2009年03月14日

トレーディングシステムの選び方(3)

トレーディングシステムの選び方、その3です。

トレーディングシステム(売買システム)を選ぶにあたって重要かつよく目にするのが、バックテスト結果です。このブログでも損益グラフを紹介していますが、多くの場合はバックテスト結果ですね。

トレーディングシステムの選び方(3)
↑バックテスト結果の一例です。システムの評価ではこれだけでは不十分ですけど。

--------------------------------------------------
販売されているFX商材のセールスレターを読んでいると、このバックテスト結果さえ提示していない場合があります。管理人的にはとても信じられません...。
--------------------------------------------------


バックテストはトレーディングシステムの評価を行ううえでもっとも重要な試験なのですが、それ以外にもトレーディングシステムの構築のためには様々な試験を行う必要があります。
ここでは、最低限行うべき3つの試験(テスト)について紹介しておきたいと思います。

試験の種類

(1)バックテスト
(2)フォワードテスト
(3)運用試験



おっと、各種試験(テスト)の説明の前に、お話しておくべきことがありました。

トレーディングシステムでは様々なパラメータを決める必要があります。
例えば、2本の移動平均線がクロスすることをきっかけには売買をさせるトレーディングシステムの場合には、2本の移動平均線を算出するためのそれぞれの期間がパラメータに該当するわけです。

具体例)
移動平均線:20期間、40期間   ←20と40がパラメータ

トレーディングシステムを構築においては、「成績」がよくなるようにパラメータを決めるわけで、これは過去のデータを利用して求めることになります。
なお、このパラメータを求める作業のことを「パラメータチューニング」とか「パラメータの最適化」と言います。

さて、ここまではよろしいでしょうか?
ここから、各種試験について説明していきます。

まず、バックテストですが、一言で言うと「過去データを用いた試験」ということになります。
例えば、過去10年分のデータを用いてパラメータチューニングを行い、その期間にについて試験を行うわけです。これが、バックテストということになります。
図だと、こんなかんじです。

      過去のデータ                       現在 →  未来
---------------------------------------------------------------|--------------------------------

<----------------------------------------------------------->
この期間でパラメータの最適化を行い、さらにはバックテストを行う


しかし、問題があります。
いくら過去のデータを使ってバックテストを行った結果がよくても、未来にそのトレーディングシステムが有効かどうかの判断はできません。まあ、未来のことは誰にもわかりませんから、当然なのですが、他の問題として、パラメータの決め方等に問題が発生している場合もあるわけです。(例えば、カーブフィッテングというパラメータの過度な最適化も考える必要があります。)

実際使ってみて判断というのもあるかもしれませんが、普通はフォワードテストという考え方(作業)を導入します。
未来のデータを入手するわけにも行きませんから、過去のデータを使ってなんとかしましょう。
このため、過去のデータを下図のように2つの期間(期間Aと期間B)に分割します。


      過去のデータ                       現在 →  未来
---------------------------------------------------------------|--------------------------------

<-------------------------------------><-------------------->
        期間A                  期間B


期間Bは現在から見れば過去のデータですが、期間Aからみれば未来ですね(笑)
そうです。
期間Aでパラメータの最適化を行い、バックテストを行ってみます。その成績が満足できるものなら、同じパラメータ設定のままで期間Bに対しても試験を行います。これがフォワードテストというものです。
これで、未来のデータを使って試験をしたということになります。(未来で試験をした「つもり」になります。)


では、最後に、(3)の運用試験についてです。
運用試験というのは、過去のデータではなく、トレーディングシステムを実際に動かすことです。
メタトレーダーを採用するFX業者(ブローカー)では、デモ口座で自動売買できますので、こういった環境を利用することになります。また、デモ口座を使えない場合には、投資金額を小さくするなどの方法があります。

運用試験の目的は、トレーディングシステムの性能の確認という観点もありますが、一番重要なのはプログラムミス(バグ)等が発生していないかどうを確認することでもあります。
バックテストやフォワードテスト等の過去データを使った解析では、見つからなかったバグをこの「運用試験」で見つけ出すわけです。
例えば、注文を出したつもりなのに売買が成立しない、とか、プログラム(トレーディングシステム)が異常終了するとか...等々
※運用試験をフォワードテストを呼ぶ場合もあります。


ちょっと難しい話になりかけてますね。
システムトレードの構築には3つの過程(作業)があるということがご理解できれば、今のところはそれで十分かと思います。
次回以降、もう少しディープな話題に入っていくと思います。


ほぼ?毎日更新中
短期投資技術研究所  http://traderlab.blog8.fc2.com/

ブログランキング・にほんブログ村へFXランキング

↑お仲間ブログです。



同じカテゴリー(トレーディングシステムの選び方)の記事画像
トレーディングシステムの選び方(9)(最終回)
トレーディングシステムの選び方(8)
トレーディングシステムの選び方(7)
トレーディングシステムの選び方(6)
トレーディングシステムの選び方(5)
トレーディングシステムの選び方(4)
同じカテゴリー(トレーディングシステムの選び方)の記事
 トレーディングシステムの選び方(9)(最終回) (2009-03-26 09:42)
 トレーディングシステムの選び方(8) (2009-03-25 09:58)
 トレーディングシステムの選び方(7) (2009-03-20 13:52)
 トレーディングシステムの選び方(6) (2009-03-19 10:20)
 トレーディングシステムの選び方(5) (2009-03-18 12:18)
 トレーディングシステムの選び方(4) (2009-03-17 10:59)

Posted by 短期投資技術研究所管理人 at 13:11│Comments(0)トレーディングシステムの選び方
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
トレーディングシステムの選び方(3)
    コメント(0)