2009年02月15日

メタトレーダーでFX取引(6)

今回はメタトレーダーの操作方法ではなく、番外的なネタです。

FX取引(外国為替証拠金取引)を始めたばかりの知人と話をしました。
その知人はFX取引を始めてまだ数ヶ月で、よく使う基本的な用語もちょっと怪しいくらいの知識です。
でも、システムトレードという言葉や概念には興味を持っています。

そんな彼女(その知人)がどなたかからシステムトレードの本を薦められて読み始めたとのことでした。
内容を聞いてみると、エクセル(Microsoft Excel)を使って売買手法の検証や構築をしようというもののようです。
エクセルをよく使う人ならよいのかもしれませんが、エクセルを使って検証するにはハードルってかなり高いんですよね。実は管理人もしばらく前まではエクセルを使って検証することも多かったのですが、メタトレーダー(無料で利用できるFX用投資ツール)を使い始めてからは、検証作業で使うことはなくなりました。
だって、エクセルなんか使っていると、ひとつの売買手法を検証するのに膨大な時間を要するんですもん。

一言で言うと、メタトレーダーを使うようになった理由は圧倒的な効率の差です。
エクセルはVBAという言語を使うのに対し、メタトレーダーはMQL4という言語を使います。VBAというのは、Visual Basic for Applicationsの略でエクセル等のMicrosoft Office製品用のBasicと思えばいいでしょう。
一方、MQL4というのは、メタトレーダー(MetaTrader)で使うプログラム言語で、C言語やC#に似た言語のことです。

どちらがいいのかは、これまでのプログラム経験によると考えてよいと思います。
ここまでは、プログラム言語についてです。

さて、エクセルと使う場合とメタトレーダーを使う場合では大きく異なる点についてですが、一言で言えば「エクセル使いの人はすべてを自分でプログラムする必要がある」ということです。
もう少し具体的に言いましょう。
例えば、テクニカル指標を作成するとしましょう。エクセルでは、テクニカル指標を算出する計算式を参考書などに基づき調べ、それに基づいてプログラムを作成する必要があります。そう、VBAというプログラム言語を使って作成するわけです。

一方、メタトレーダーはどうかというと、主だったテクニカル指標は、すでに「関数」として作成されています。ここでいう関数というのは、目的をもったプログラムのことと言えばいいと思います。例えば、「移動平均」を求めるためには、移動平均のプログラムを書く必要はなく移動平均の関数を呼び出すだけでいいのです。こういったよく使われるテクニカル指標はメタトレーダーではあらかじめ準備されているのです。
もちろん、すべてのテクニカル指標が準備されているわけではありませんが、それでもWEBサイトで無料で公開されている場合も多く、かなりのテクニカル指標のプログラムが容易に入手できたりします。この点は、メタトレーダーを利用する大きなメリットといえると思います。

ちょっと長くなってしまったので、メタトレーダーを利用するメリットについては端折りますが、このほかには、逆指値や指値を使った売買の方法、売買結果の統計処理等々、エクセルでは考えたくないようなことがメタトレーダーでは簡単に実現できます。


FX関係については、管理人はメタトレーダーに特化していますが、一度メタトレーダーを利用してしまうと、その生産性の高さゆえ、エクセル等は使えなくなってしまいます。


順序が逆になってしまいましたが、なぜ、上記の記事を書いたかというと、日本で出版されるシステムトレードの本では「エクセルを使うのが当たり前のように書かれている」ことがあるためです。エクセルを使うことは管理人も否定しませんが(お勧めもしません!)、他の選択肢があることを覚えておいて欲しいと思います。
これって、投資の世界での「有名人」の方もこういった本を書いちゃっているんですよね。
困ったものだナー

管理人の結論
苦労したくないなら、エクセルなんか止めとけばー  

最後に一言だけ。
システムトレードでは、アイディアのシステム化は大して重要ではありません。重要なのは、システム化したトレード手法(売買手法)の検証がもっとも重要な作業です。実際に利用できるかどうかの判断をするためには、様々な条件や売買の仕方を検討・検証する必要があるのです。
エクセルVBAでプログラムを書いてそれで力尽きてしまうなんてことがないようにしたいですね。


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Posted by 短期投資技術研究所管理人 at 22:18│Comments(2)FX取引とメタトレーダーの基本
この記事へのコメント
はじめまして。
売買シミュレーション(バックテスト)はMT4の方がExcelよりずっと効率的というのは全く同意です。
自分の場合、Excelは主に
・バックテスト結果の分析(時間、曜日、日付毎の損益、損益の分布等)
・複数のEAのバックテスト結果を比較したり合成してグラフ化したり
等に使っています。
シミュレーション結果に対する統計処理には便利ですね。(最近はR言語に興味あり)
Posted by danzig at 2009年02月16日 22:12
こんにちは。はじめまして。

そうですね。エクセルの得意とすることも多いですね。それぞれの得意とするところをうまく使って効率化を図るというのがベストだと思います。
言語を覚えておくのが大変ですけど(笑)。

知人がシステムトレードに興味を持ったのですが、読んだ本の影響で「システムトレード=エクセル利用」と思い込んでいるんですね。エクセル(VBA)を覚えることは悪いことではないのですが、他の選択肢があることも知っておくべきということから記事に書くことにしました。(ありゃ、また長い...)


でも、R言語ですかあ。統計屋さんはよく使われているみたいですね。
Posted by 短期投資技術研究所管理人短期投資技術研究所管理人 at 2009年02月16日 23:09
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